概要
分散型金融(DeFi)プロトコルAaveのネイティブトークンAAVEが、週末にかけて10%以上上昇する強い反発を示した。同時に、オンチェーン資本配分企業Groveが、Aaveの機関向けレンディング市場「Horizon」にRipple USD(RLUSD)とCircleのUSDCステーブルコインの流動性を供給する計画を明らかにした。この動きは、トークン化実物資産(RWA)を担保とする貸出市場におけるAaveの勢いを強めるものと見られている。
背景
Aaveは主要なDeFiレンディングプロトコルの一つであり、そのガバナンストークンであるAAVEは市場の値動きに敏感に反応する。今回の価格反発は、暗号資産市場全体が金曜日の安値から反発する中で発生した。また、伝統的な金融資産のブロックチェーン上でのトークン化(RWA)が成長市場として注目を集めており、Aaveもその領域への参入を強化している。
テクニカル詳細
Groveによる流動性供給計画は、Aaveの新たな機関向けレンディング市場「Horizon」を対象としている。Horizonでは、適格な借り手がトークン化された実物資産(例:米国債トークン)を担保として提示し、融資を受けることが可能。この市場は既に、SuperstateやCentrifugeといった発行体による担保をサポートしている。さらに、Chainlink(LINK)が担保の評価データを提供し、Llama RiskとChaos Labsが第三者リスク評価を担当している。Groveの統合はガバナンス承認待ち状態である。
マーケット動向
AAVEトークンは月曜日までに10%以上上昇し、一時230ドルを超えた。この上昇率は、CoinDesk 20指数構成銘柄の中では、オラクルネットワークChainlinkのネイティブトークンLINKに次ぐものだった。しかし、231ドル付近では複数回の上抜けに失敗する抵抗線が確認され、短期的な利食いにより高値からは値を戻し、225ドル以上で consolidating(もみ合い)状態となった。
影響と展望
Groveによる流動性供給が実現すれば、Horizon市場の流動性が深まり、機関投資家がトークン化資産を担保とした資金調達をより活発に行える環境が整う。これは、トークン化実物資産(RWA)を実際の運転資本として活用するというDeFiの重要なユースケースを推進する可能性を秘めている。Aaveプロトコルは、急速に成長するこのトークン化資産貸出市場における存在感を高めつつある。
まとめ
AAVEトークンは週末に強い反発を見せ、同時にGroveによるAaveのHorizon市場へのステーブルコイン流動性供給計画が発表された。これは、トークン化実物資産(RWA)を活用したDeFiレンディングにおけるAaveの進展を示す兆候である。