特許トロールがビットコインロゴ商標を取得、オンライン著作権侵害を主張

スペインの個人申請者によるビットコインロゴの商標登録が、AmazonやEtsyなどのプラットフォームで商品リストの一括削除を引き起こしている。申請者は「ES5020240 M4296236」としてWIPOグローバルブランドデータベースに登録されており、この商標登録を根拠にプラットフォームが世界中のマーケットプレイスでリスト削除を実行している。この事態は、スペイン国内で過去2回にわたりビットコインロゴが公共ドメインと判断された司法判断と矛盾しており、プラットフォームの執行ポリシーと現地の判例法の間の分裂を示している。影響を受けた販売者は、2024年と2025年のスペイン裁判所の判決を引用した異議申し立てを行うことが可能で、中期的には6〜18ヶ月以内に無効化手続きが進む可能性がある。

概要

スペインでのビットコインロゴ商標登録をめぐり、AmazonやEtsyなどのオンラインプラットフォームでビットコイン関連商品のリスト削除が相次いでいる。個人申請者による商標登録「ES5020240 M4296236」がWIPOグローバルブランドデータベースに記録され、この登録を根拠にプラットフォームが世界的な執行を行っている。

背景

スペインでは過去にビットコインロゴの商標権をめぐる訴訟が行われており、2024年のビルバオ商業裁判所第2法廷と2025年のビスカヤ州控訴裁判所が、ビットコインロゴを公共ドメインのコミュニティ資産と判断する判決を下している。これらの判決は、個人によるロゴの独占的支配の試みを悪意あるものとして無効化している。

マーケット動向

影響を受けた販売者は衣料品やアクセサリーなどの商品を扱っており、通知を受けてから数時間以内にストアフロントから商品が削除されている。Amazonのブランド登録制度とEtsyのIPポリシーは、スペインなどの承認された知的財産庁からの商標登録を受け入れ、権利所有者が比較的低い摩擦で複数のマーケットプレイスに侵害申し立てを行うことを可能にしている。

影響と展望

短期的(0〜6ヶ月)には、スペイン以外のストアフロントでも断続的な削除が続くと予想される。中期的(6〜18ヶ月)には、関係者が行政上の無効手続きを開始したり、裁判所で無効訴訟を起こしたりすることで、執行の流れが遅くなる可能性がある。申請者は過去にEU域内での商標出願(申請番号018460947)を行った実績があり、2022年4月に拒否されている。

まとめ

スペインの裁判記録はビットコインロゴの公共ドメインとしての地位を明確にしているが、マーケットプレイスの執行ツールが単一国家の商標登録に基づく世界的な削除を可能にしている。販売者は現在の通知を文書化し、スペインの判決を引用した異議申し立てを準備する必要がある。

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