概要
ビットコイン(BTC)が3%下落し107,500ドル台で推移するなど、暗号資産市場全体が調整局面に入っている。主要アルトコインも3-5%下落し、約3億2000万ドルのロングポジション清算が発生した。一方、米政府閉鎖終結とFRB利下げ期待といったマクロ要因が市場を下支えする構図となっている。
背景
暗号資産市場は米国のマクロ経済状況に敏感に反応してきた。現在、米政府閉鎖の長期化が懸念材料となっていたが、ホワイトハウス顧問のケビン・ハセット氏は閉鎖が今週中に終結する見通しを示した。これにより、停滞していた暗号資産規制関連の審議が再開される可能性が高まっている。
テクニカル詳細
CryptoQuantのデータ分析によれば、バイナンスからのビットコイン流出量が急増している。この「負の取引所フロー」は、投資家が売却ではなくコールドストレージへの移行を選択していることを示し、売り圧力の減退を示唆している。過去30日間のデータでも、取引所からのBTC流出が継続的に観測されている。
マーケット動向
ビットコインは24時間で3%下落し107,500ドル台で推移。イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、XRP、BNBなどの主要アルトコインも3-5%の下落を示した。暗号資産市場全体のロング清算額は3億2000万ドルに達し、うち2億5000万ドルがロングポジションの清算であった。予測市場プラットフォームPolymarketでは、米政府閉鎖が11月5日に終結する確率が最も高いと見られている。
影響と展望
アナリストのテッド・ピローズ氏は、CBOEボラティリティ指数(VIX)が10%下落し、先週のピークから36%減少した点を指摘。この急落は市場の恐怖心理後退を示しており、ビットコインを含むリスク資産にとってプラス材料となり得ると分析している。FRBは来週にも利下げを実施する見込みで、市場関係者の間では2025年末までにさらに50bpsの利下げが期待されている。
まとめ
短期的なビットコイン価格の調整にも関わらず、取引所データは売り圧力の減退を示唆。米政府閉鎖終結とFRB利下げ期待といったマクロ要因が市場を下支えする環境が整いつつある。ただし、米中貿易摩擦に関するトランプ氏の発言など不確実性要因も残っている。