Kadena創業チーム撤退でトークン急落、事業停止は「市場環境」が原因

レイヤー1ブロックチェーン「Kadena」の創業チームが、市場環境悪化を理由に事業活動の停止とネットワークメンテナンスの即時終了を発表した。これを受け、ネイティブトークンKDAは90分で60%急落し、時価総額はピーク時の約4億ドルから約3090万ドルまで縮小した。Kadenaは2016年にJPモルガン元ブロックチェーン責任者らによって設立された「企業向けブロックチェーン」を標榜するプロジェクトだったが、イーサリアムやソラナといった大規模チェーンとの競争激化の中で持続可能なユーザーベース構築に苦戦していた。今後は独立したバリデータによるネットワーク運用は継続されるが、2029年に解放予定の8370万KDAトークンの分配方針についてはコミュニティと協議する必要が残されている。

概要

レイヤー1ブロックチェーン「Kadena」の創業チームが、市場環境悪化を理由に事業活動の停止とネットワークメンテナンスの即時終了を発表した。これによりネイティブトークンKDAは90分で60%急落し、時価総額は大幅に縮小した。ただし、プルーフ・オブ・ワークベースのブロックチェーン自体は独立したマイナーによって運用が継続される。

背景

Kadenaは2016年にStuart Popejoy氏とWill Martino氏によって設立された。Popejoy氏はJPモルガンの元ブロックチェーンセンター責任者、Martino氏は米証券取引委員会(SEC)の暗号通貨ステアリング委員会でテックリードを務めた経歴を持つ。両者は「企業向けブロックチェーン」を標榜し、プロジェクトを推進してきた。

テクニカル詳細

Kadenaはプルーフ・オブ・ワークを採用したスマートコントラクトブロックチェーンであり、分散化が徹底されている。チームは近い将来、自らの関与なしに継続運用可能な新しいバイナリを提供し、全てのノードオペレーターに速やかなアップグレードを促す予定。

マーケット動向

KDAトークンは発表後90分で60%急落。2021年11月には約40億ドルに迫る時価総額を記録したが、現在は約3090万ドルまで下落している。チームは事業縮小期間を管理する小規模チームを残すが、独立したバリデータによるトランザクション処理とブロックマイニングは継続される。

影響と展望

今回の事業停止は、イーサリアムやソラナといった大規模ブロックチェーンとの激しい競争の中で、小規模ブロックチェーンが持続可能なユーザーベースを構築し、収益を上げることの難しさを浮き彫りにした。今後の課題として、2029年11月に解放予定の8370万KDAトークンの分配方針についてコミュニティと協議する必要がある。また、2139年までに566百万KDAトークンがマイニング報酬として分配される予定。

まとめ

Kadena創業チームの撤退と事業停止発表により、同プロジェクトのネイティブトークンは大幅な価格下落を経験した。しかし、分散型ブロックチェーンとしての特性上、ネットワーク自体は独立したマイナーによって運用が継続される見込み。今後の課題はコミュニティガバナンスによるトークン分配計画の策定となる。

一覧に戻る