概要
コインデスクの「2025年最も影響力のある人物」特集の一環として、デビッド・ベイリーと彼が率いるビットコイン財務会社KindlyMD(NAKA)の事例が取り上げられた。ベイリーは、ビットコイン・マガジンの元CEOであり、ドナルド・トランプ前大統領の選挙キャンペーンにおけるビットコインアドバイザーとしても知られる人物である。2025年、マイケル・セイラーのマイクロストラテジーの成功を模倣して急造されたビットコイン財務会社が熱狂とともに出現し、その後驚くほど崩壊した現象が記憶される中で、KindlyMDはその最も注目を集めた事例の一つとなった。
背景
2025年は、マイクロストラテジーの成功に触発され、ビットコインを財務資産として大量に保有することを主目的とする「ビットコイン財務会社」が相次いで設立された年であった。デビッド・ベイリーは、ビットコイン業界で著名なメディア「ビットコイン・マガジン」の元CEOとしての実績と、政治的な影響力を持つ人物としての経歴から、この動きの中心的人物の一人として注目を集めていた。
マーケット動向
2025年5月、当時ほとんど無名のマイクロキャップ医療会社であったKindlyMDは、デビッド・ベイリーのNakamoto Holdingsとの合併契約を発表した。この合併は7億ドル以上の資金を背景としており、ビットコイン財務会社への転身を目的としていた。この発表を受けて、同社株(当時のティッカーはKIND、後にNAKAに変更)は数日で約2ドルから30ドル超へと急騰した。しかし、これが最高値となった。その後、ビットコイン(BTC)価格が上昇する局面でも、NAKA株は春から夏にかけて下落を続けた。8月中旬に合併が完了した後、状況はさらに悪化。約1ヶ月後に早期投資家が保有株の売却を可能にすると、売り注文が殺到した。2025年12月12日現在、KindlyMD株は約0.45ドルで取引されており、高値から約99%下落し、ベイリーのNakamoto Holdingsとの合併契約発表前の株価と比較しても、その価値は約25%にまで落ち込んでいる。
影響と展望
この記事は、デビッド・ベイリーを2025年の「最も影響力のある人物」の一人として挙げているが、それは彼が主導したビジネスモデルそのものの成功ではなく、2025年に発生したビットコイン財務会社ブームとその顛末を象徴する存在としての影響力に焦点を当てている。ベイリー自身、公企業のCEOとしては異例とも言える行動として、2025年9月の書簡で短期の取引を目的とした株主に対して退出を促す発言を行った。KindlyMDの事例は、マイクロストラテジーのモデルを単純に模倣しようとした多くの企業が直面した困難とリスクを浮き彫りにした。今後の展望については、元の記事では具体的な言及はない。
まとめ
元ビットコイン・マガジンCEOで政治的なコネクションも持つデビッド・ベイリーが率いたKindlyMD(NAKA)は、2025年のビットコイン財務会社ブームにおける最も注目を集めた事例の一つである。7億ドル以上の資金を背景とした合併発表で株価が急騰したものの、その後はビットコイン相場の上昇にもかかわらず株価が暴落し、高値から99%近く下落するという結果に終わった。ベイリー自身が短期投資家の退出を促す異例の声明を出すなど、このブームの熱狂とその後の厳しい現実を如実に示すケースとなった。