SOLが苦戦、SolanaのTVL減少とミームコイン需要減退で

SolanaのネイティブトークンSOLは、価格が4週間にわたり145ドルを超える水準を維持できず、苦戦を強いられている。その背景には、Solanaネットワークの総預かり資産(TVL)が9月のピークから100億ドル以上減少し、分散型アプリケーション(DApp)からの収益も2か月前の週3700万ドルから2600万ドルに低下するなど、ネットワーク活動の全般的な減速がある。特に、SOL需要の主要なドライバーであったミームコインへの関心が、10月の暗号市場急落後に後退し、分散型取引所(DEX)の取引量が大幅に減少したことが影響している。一方で、FiredancerのメインネットローンチやKamino Financeによる新商品発表など、エコシステムの拡大を示す動きも見られる。しかし、SOLのパーペチュアル先物の資金調達率は低水準で推移しており、強気のレバレッジ需要は弱く、価格が3か月で46%下落した後の強気派の確信回復には時間がかかる見通しだ。

概要

SolanaのネイティブトークンSOLは、ネットワークの総預かり資産(TVL)の減少とミームコイン需要の減退により、価格の上昇が阻害されている状況だ。TVLは9月の150億ドルの史上最高値から100億ドル以上減少し、分散型アプリケーション(DApp)の収益も低下。特にミームコイン取引の落ち込みがSOL需要に影を落としている。一方で、Firedancerのメインネットローンチなど技術的な進展は続いている。

背景

Solanaネットワークは、高速・低コストな取引処理を特徴とし、特にミームコインの取引や分散型金融(DeFi)アプリケーションの活発な活動の場として成長してきた。しかし、2024年10月10日に発生した暗号通貨市場の急落は、レバレッジポジションの脆弱性や流動性の問題を露呈し、市場参加者のリスク選好を低下させた。この出来事は、ミームコインなど投機的色彩の強い資産への需要に特に影響を与えた。

テクニカル詳細

Solanaエコシステムでは、新たなバリデータークライアント「Firedancer」のメインネットがローンチされた。Jump Tradingの指導の下、3年以上かけて開発されたこのソフトウェアは、ネットワークの処理能力拡大を目的としている。テストでは、バリデーターノードの再同期が2分以内で完了したと報告されている。また、TVLで第2位のDAppであるKamino Financeは、固定金利・固定期間での借入、オフチェーン担保、プライベートクレジット、オンチェーンのビットコイン担保機関向け与信枠など、新商品を発表した。

マーケット動向

SolanaのTVLは、9月の史上最高値150億ドルから100億ドル以上減少している。SolanaのDAppからの週間収益は、2か月前の3700万ドルから2600万ドルに低下した。ミームコインの取引動向は、1月の「Official Trump (TRUMP)」ローンチ時にSolanaのDEX取引量が3133億ドルに達した後、67%減少している。ネットワーク手数料は過去30日間で21%減少したが、これは競合チェーン(BNBチェーン:67%減、イーサリアム:41%減)より緩やかな下落だった。一方、Solanaの取引数は6%増加した。SOLのパーペチュアル先物の年間化資金調達率は6%と低く、強気のレバレッジ需要は弱い。過去3か月でSOL価格は46%下落している。

影響と展望

TVLの減少は、売りに出せるSOLの供給を直接的に増加させる可能性がある。ミームコイン需要の減退は、SOLの主要な需要ドライバーの一つが弱まったことを示す。DApp収益とDEX活動の鈍化は、より広範な市場の疲労を示唆している。しかし、FiredancerのローンチやKaminoの新商品など、エコシステムの拡大をうかがわせる開発も進行中だ。Kaminoの年間化手数料は6900万ドル、預金の平均年間利回りは10%に達している。とはいえ、検証ソフトウェアの改善やDAppの拡充だけでは、2か月前に見られた190ドル水準への回復を支える持続的な強気トレンドに必要な確信を回復させるのは難しいと見られる。

まとめ

Solanaネットワークの活動全般が減速し、特にミームコイン需要の後退がSOLトークンの価格に圧力をかけている。TVLの大幅減少やDApp収益の低下が続く一方で、ネットワークの技術的基盤強化や金融商品の多様化といった長期的な成長のための動きも並行して進んでいる。市場のセンチメントは慎重で、強気のレバレッジ需要は限定的な状況が続いている。

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