概要
暗号資産ソラナ(SOL)の上場投資信託(ETF)が、SOL価格の下落傾向および暗号資産市場全体の調整局面にもかかわらず、7日間連続で資金の純流入を記録した。投資運用会社Farside Investorsのデータによると、この期間中に流入した資金は合計で約1660万ドルに達し、執筆時点でのSOL ETFへの純流入総額は6億7400万ドルとなっている。
背景
米国では、2025年7月にREX-Ospreyのステーキング付きSOL ETFが初めて上場し、続いて10月には投資会社Bitwiseの「BSOL Solana ETF」が上場した。ブルームバーグのETFアナリスト、ジェームズ・セイファート氏によれば、BitwiseのETFは2025年で最も注目を集めたETFの一つであり、初日の取引高は5700万ドルを記録した。
マーケット動向
暗号資産市場分析プラットフォームNansenのデータによると、ソラナの時価総額は過去7日間で2%以上下落している。また、執筆時点でのSOLのパーペチュアル先物(無期限先物契約)の未平倉残高は4億4700万ドルを超えている。SOL価格は、1月にソラナネットワーク上でトランプ・ミームコインが立ち上がったことで記録した約295ドルの史上最高値から約55%下落しており、9月に記録した約253ドルの直近高値からも約47%下落している。11月以降、SOLは重要な支持水準とされる365日移動平均線を大きく下回る水準で取引されており、12月に入っても140ドルから145ドルの抵抗帯を突破できていない。
影響と展望
ETFへの資金流入は、価格や総預かり資産(TVL)などのオンチェーンメトリクスが市場の下落局面で低下しているにもかかわらず、機関投資家や伝統的金融(TradFi)の投資家によるSOLへの関心が持続していることを示すシグナルと見なされている。一方、米国証券取引委員会(SEC)のポール・アトキンス委員長は12月12日(木曜日)に「米国の金融市場はオンチェーンへ移行する準備が整っている」と述べるなど、暗号資産業界の関係者や米国規制当局の間でインターネット資本市場への関心が高まっている状況にある。
まとめ
SOL価格が大幅な下落を続け、重要な抵抗水準を突破できない状況が続いている一方で、ソラナETFは7日間連続で資金の純流入を記録した。これは、短期的な価格変動にかかわらず、一部の投資家がSOLへの長期的なエクスポージャーを求めている可能性を示唆している。米国でのSOL ETFの導入と、金融市場のオンチェーン化に関する議論の高まりが、今後の市場動向にどのような影響を与えるかが注目される。