概要
エバーノース・ホールディングスは、SPACのアーマダ・アクイジション・コープIIとの事業統合契約を締結し、ナスダックへの上場を目指す。総額10億ドル超の資金調達を計画し、その大部分を公開市場でのXRP購入に充て、世界最大級の公開XRPトレジャリーを構築する。
背景
仮想通貨市場では、機関投資家向けの新たな投資商品の開発が進んでおり、従来のETFとは異なる能動的な運用モデルが模索されている。エバーノースはこうした市場環境において、XRP保有に加えて収益創出を組み合わせた独自のビジネスモデルを提案する。
企業動向
エバーノースは、SPACとの合併により上場企業となる計画。元リップル上級執行役員のアシーシュ・ビルラ氏がCEOを務め、経営陣にはCFOのマシュー・フライミア氏、COOのメグ・ナカムラ氏などが名を連ねる。リップルは戦略的投資家として参画し、ブラッド・ガリングハウス氏らリップル幹部が戦略アドバイザーを務める予定。
市場分析
この計画では、SBIホールディングスからの2億ドルのコミットメントを含む10億ドル超の資金調達を見込む。その他、リップルワークス、パンテラ・キャピタル、クラーケン、GSRなどの著名投資家や、リップル共同創業者のクリス・ラーセン氏も出資に参加。調達資金の大部分は公開市場でのXRP購入に充てられ、残りは運転資金と取引費用に充当される。
業界への影響
エバーノースは、単なるXRP価格へのエクスポージャー提供にとどまらず、機関向け貸出、流動性提供、DeFi戦略への参加を通じた収益創出を目指す。さらに、XRP Ledger上のバリデーターの運営や、リップルのRLUSDステーブルコインをXRPベースのDeFiへの入口として活用する計画も掲げている。
投資家の視点
この取り組みが実現すれば、投資家はXRPの価格変動に加えて、同社が貸出、流動性提供、DeFi参加を通じて生み出す追加的なリターンにもアクセス可能となる。ただし、計画の実現には株主総会での承認、規制当局の審査、資金調達計画の実行など、いくつかの条件を満たす必要がある。
まとめ
エバーノース・ホールディングスはSPACを通じた上場を目指し、10億ドル規模の資金調達と公開XRPトレジャリーの構築を計画している。従来の受動的な投資商品とは異なる能動的な運用モデルを特徴とし、仮想通貨市場における新たな投資手段として注目を集めている。