MidnightのNIGHTトークン、200%急騰でプライバシーコイン市場が活況

Cardanoのサイドチェーンとして開発されたプライバシー重視ネットワーク「Midnight Network」のネイティブトークン「NIGHT」が、12月9日のローンチ後24時間以内に約200%急騰した。時価総額は12億ドルを突破し、初日の取引量は3億2000万ドル以上を記録。CoinGeckoとCoinMarketCapで最も注目された資産となった。この急騰は、欧州連合(EU)が2027年から取引所におけるプライバシーコインの上場を禁止する規則を承認したことを背景に、10月以降続くプライバシーコイン全体の上昇トレンドの一環として発生。Zcashが10月から11月中旬にかけて10倍上昇するなど、規制圧力の高まりが逆にゼロ知識証明技術への需要を喚起し、市場資金がプライバシーインフラへ急速に流入している状況を示している。Midnightはゼロ知識証明と二重トークンモデル(NIGHTとDUST)を採用し、選択的開示によるデータ保護を特徴とする。ただし、Zcashが高値から40%以上下落するなど、同セクターは変動が激しく、初期の hype が収まった後の持続的な需要が今後の課題となる。

概要

Cardanoのパートナーチェーン(サイドチェーン)であるプライバシーファーストネットワーク「Midnight Network」のネイティブトークン「NIGHT」が、2025年12月9日のローンチ後、24時間以内に約200%急騰した。時価総額は12億ドルを超え、初日の取引量は3億2000万ドル以上に達し、CoinGeckoとCoinMarketCapで最もトレンド入りした資産となった。この上昇は、規制強化を背景としたプライバシーコイン市場全体の活況に支えられている。

背景

プライバシーコイン市場は2025年10月以降、上昇トレンドが続いている。直接的かつ最近の要因として、欧州連合(EU)が2027年から取引所におけるプライバシーコインの上録を禁止する規則を承認したこと、監視規則の強化、および「チャットコントロール」法提案などが挙げられる。こうした規制圧力と監視への懸念が、機密性を保持する技術、特にゼロ知識証明技術に対する需要を再燃させている。Zcashはこのトレンドの先駆けとなり、10月から11月中旬にかけて10倍の上昇を見せた。

テクニカル詳細

Midnight Networkは、Cardanoのサイドチェーンとして構想されている。初期のトークンとレジャーはCardano上で発行される(Cardano Native Asset)。同ネットワークはゼロ知識証明を利用したプライバシーファーストネットワークを標榜し、二重トークンモデルを採用している。主要資産として機能する「NIGHT」と、プライベート取引の手数料に使用される「DUST」である。このモデルは選択的開示を可能にし、データが必要な場合にのみ可視化される仕組みとなっている。

マーケット動向

NIGHTトークンは約0.039ドルから0.085ドル以上まで上昇した後、小幅に調整した。流通供給量は166億トークンに達した。プライバシートークンセクターの取引量はピーク時で30億ドル近くに達し、Zcashの上昇に続き、Dash、Railgun、Decred、Moneroなどにも資金が流入した。ただし、セクターは変動が激しく、Zcashは11月の高値から40%以上下落し、Dashの12月初旬の上昇も勢いを失っている。

影響と展望

Midnightの強力なローンチは、規制環境が厳しくなる中、資本がプライバシーインフラへいかに速く移動しているかを示している。アナリストは、規制が強化され新たなプライバシー重視プロジェクトが登場する中、主要銘柄間での資金のローテーションが続くと予想している。一方で、規制監督の強化がプライバシー関連活動を規制対象プラットフォームから締め出す可能性があるとの警告もある。Midnightにとっての次の試練は、初期の hype が収まり、市場の焦点が物語から実際の使用へと移行した後も、需要が高い水準で維持されるかどうかである。

まとめ

Midnight NetworkのNIGHTトークンは、規制動向を背景としたプライバシーコイン市場の活況を追い風に、記録的なローンチを達成した。同プロジェクトは、ゼロ知識証明と二重トークンモデルによる選択的開示という技術的特徴で差別化を図っている。市場は単なる匿名性ツールからプライバシーインフラへの移行を示しており、Midnightはその中心的な存在として注目を集めている。しかし、同セクターの変動性は高く、持続的な成長には実際の使用と採用が鍵となる。

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