LUNC、1週間で160%超急騰 ド・クォン判決とトークンバーンが取引を呼び込む

崩壊したTerraエコシステムから生まれた仮想通貨Terra Classic(LUNC)が、過去1週間で160%以上という急激な上昇を見せている。この急騰は、12月11日に予定されているTerraform Labs創業者ド・クォン氏の判決を前にした思惑買いと、トークンバーン(供給量削減)の加速が主な要因となっている。具体的には、過去1週間だけで8億4900万LUNCがバーンされ、12月に入ってからの累計は9億5900万トークンを超えた。また、取引所BinanceがTerra Chainのアップグレードに伴いLUNCの引き出しを一時停止したことも、短期的な需給ひっ迫懸念から買い材料として作用している。ただし、LUNCの価格は依然としてボラティリティが高く、同じ期間にCoinDesk 20指数が2.3%下落する中での独自の上昇となっている。この動きは、長く法的な不透明さに悩まされてきたプロジェクトへの関心が、判決という節目を機に一時的に高まったものとみられる。

概要

仮想通貨Terra Classic(LUNC)は、過去24時間で74%以上上昇し、価格は0.0000072ドルに達した。過去1週間では160%を超える急騰を見せており、これは主に、Terraform Labs創業者ド・クォン氏の判決(12月11日予定)を前にした思惑買いと、トークンバーン(供給量削減)の加速によるものだ。

背景

LUNCは、2022年に400億ドルの価値を失う崩壊を経験したTerraエコシステムの旧トークン(UST/LUNA)がリブランドされたものである。創業者のド・クォン氏は米国で金融詐欺罪を認めており、最大12年の禁固刑に直面している。プロジェクトは長らく法的な不確実性に覆われてきた。

企業動向

該当なし。

市場分析

LUNCは取引量の急増とともに急騰し、過去1週間で160%以上上昇した。この上昇は、広範な仮想通貨市場の動きとは一線を画している。同じ期間において、CoinDesk 20(CD20)指数は約2.3%下落しており、LUNCが市場を大幅にアウトパフォームしている状況を示している。価格は依然としてボラティリティが高い状態が続いている。

業界への影響

該当なし。

投資家の視点

投資家の間では、ド・クォン氏への最終判決によってプロジェクトに対する長年の法的な不透明さに一定の決着がもたらされる可能性への期待が、短期的な買い材料として働いている。また、トークンバーンによる供給量削減は、コミュニティの期待を支える技術的要因として注目を集めている。ただし、LUNCの循環供給量は5.49兆トークンと膨大であり、現在のバーンペースは相対的に小さいことには留意が必要である。さらに、BinanceがTerra Chainのv2.18アップグレード(12月8日予定)に先立ちLUNCの引き出しを一時停止したことが、短期的な需給ひっ迫懸念を生み、上昇の勢いを後押しする一因となった。このアップグレードは相互運用性のバグ修正とネットワーク安定性の向上を目的としている。

まとめ

LUNCは、創業者ド・クォン氏の判決を目前に控え、トークンバーンの加速や取引所の動きと相まって、短期間で急激な価格上昇を記録した。これは、法的な不確実性が続くプロジェクトへの市場の注目が一時的に高まった現象とみられるが、基礎となるプロジェクトの根本的な再生への道筋は依然として不透明であり、価格の変動性は高い状態が続いている。

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