概要
仮想通貨イーサリアム(ETH)の価格が3,000ドル水準を維持する中、投資会社Bitmineが大規模なETH購入を継続している。過去24時間で約6,867万ドル相当のETHを追加購入し、同時間帯の累計購入額は約1億9,940万ドルに達した。一方、ETH価格は3,100ドルの抵抗線を突破できず、市場全体の弱気ムードの中で短期的な下落圧力に直面している。アナリストは、3,000ドルの支持線が崩れると、価格は2,800ドルまで下落する可能性があると指摘する。
背景
仮想通貨市場は直近24時間で3%、過去30日間で10%下落するなど、全体的な調整局面にある。市場心理を示す「Crypto Fear & Greed Index」は21と「強い恐怖」を示す水準にあり、これが一部の清算を引き起こしている。この市場の減速は、制度的資金の流出、規制上の懸念、技術的な調整などが背景にあるとされる。具体的には、現物ビットコインETFは今年11月以降、最大27億ドルの資金流出を記録している。
企業動向
投資会社Bitmine(トム・リー氏が率いる)は、仮想通貨市場で積極的な買い付けを継続している。12月6日、BitGoのホットウォレットからBitmineのウォレットへ22,676ETH(約6,867万ドル相当)が移動した取引が確認された。これにより、過去24時間におけるBitmineのETH購入総額は64,622ETH(約1億9,940万ドル相当)に達した。ETH価格が乱高下する中でのこのような積極的な購入は、同社がETHの長期的な将来性を強く信じていることを示すものと見られる。短期間でこれだけの大量のETHを購入したことは、同社の市場における存在感の大きさを浮き彫りにしている。
市場分析
12月6日(土曜日)時点でのETH価格は3,031ドル付近で推移し、狭いレンジ内での取引が続いている。価格は重要な抵抗線である3,100ドルを突破できておらず、直近の高値である3,300ドルの水準にも届いていない。テクニカル指標を見ると、移動平均収束拡散法(MACD)は弱気のクロスオーバーを示しており、MACDラインがシグナルラインを下回る動きから、さらなる下落の可能性が示唆されている。相対力指数(RSI)は46と、中立ラインである50を下回っている。ETH価格が3,100ドルの抵抗線を突破できた場合、3,300ドルの抵抗線を再テストする可能性がある。一方、3,000ドルを割り込んで下落が続く場合、価格はさらに下落し、今後数日間で弱気の目標価格帯に向かう可能性がある。
投資家の視点
仮想通貨アナリストは、ETHが3,000ドルという重要な水準を維持していると指摘する一方、この水準を下回った場合、次の主要な支持線である2,800ドルゾーンまで下落するリスクがあると警告している。現在、ETHは短期的な価格動向において重要な分岐点に立っているとされる。Bitmineによる大規模購入は長期的な信頼を示す材料ではあるが、市場全体の弱気センチメント、制度的資金の流出、規制環境の不透明さといった要因が短期的な価格の下押し圧力となっている。
まとめ
Bitmineによる約2億ドルに及ぶ大規模なETH購入は、機関投資家の一部で長期的な強気姿勢が維持されていることを示している。しかし、ETH価格自体は3,100ドルの抵抗線に阻まれ、市場全体の弱気ムードと弱含みのテクニカル指標に直面している。今後の鍵は、3,000ドルという心理的に重要な支持線を維持できるかどうかであり、これを割り込むと2,800ドルへのさらなる下落が懸念される。